トップへもどる さいしょのもくじ 保護者の方へ イベント企画者の方へ DVD教材について
指導者・保護者の方へ
カヌー自然体験とそのフィールドの特徴をよく理解して、子供たちが素晴らしい自然に接するチャンスを、ぜひ実現してあげてください。
ハイポサーミア(低体温症)の予防とケア
   
次のコラムへ▼
   

低体温症とは

   

カヌーを用いた体験活動では、水濡れする機会が多いため低体温症に対する注意と予防が大切です。 深層体温(重要な臓器がある胴体内部の体温)が低下して発症する病気です。 体温が低下すると各種の身体的不調が生じ、さらに生命の危険がある場合もあります。 体温が低下するのは、身体内部で発生する代謝熱量と外部へ放出される熱量のバランスがくずれ、放熱過多になるためです。

次のコラムへ▼
   

発生環境

   

■外的環境による放熱過多
・低水温 (20℃以下は低水温)
水は大気の25倍も熱を伝えやすい(体温を奪いやすい)と言われています。
つまり体温よりも温度の低い水中にいると、身体の熱をどんどん奪われて体温が低下します。
・低気温 (寒冷な気候など)
体内発熱以上に放熱すると、体温が下がります。
・ 水濡れ、汗濡れ
濡れた服は熱を伝えやすくなります。
水分が蒸発する時に気化熱を奪うため、温度が下がります。
・風冷え
風に吹かれると体感温度が低下します。

■内的要因によるもの
・体質
体格差。身体の小さい子供は体表面からの放熱が大人よりも多く、低体温症になりやすい傾向です。体格により、皮下脂肪による保温力差があるようです。
運動体質、気力等によっても発症に差があるようです。
・ 体調
体調が悪かったり、疲労により代謝発熱が低下し体温不足になります。食事を抜くと、発熱のためのカロリーが不足してきます。

次のコラムへ▼
   

観察される低体温症の症状

   

顔色:子どもによく観察されるのは、唇が青く変色している状態です。

ふるえ:震えるのは体温が下がってきていることに身体が反応して、筋肉を動かして代謝発熱を高めようとしている反応で、軽度の反応です。低体温症が進行して体温が低下し過ぎると、震えが止まります。体調は危険な状態になっていますので、緊急の手当が必要です。

動作:軽度では手のかじかみによる握力低下などが生じます。症状が進行すると動作が緩慢になったり、よろけたりします。

意識:中度に進行すると意識が混濁して、正しい応答が得られなくなります。さらに体温が低下すると意識が無くなり、非常に危険な状態です。

次のコラムへ▼
   

ケア

   

■軽度
早い段階において、現場での適切なケアにより回復可能です。 乾いた衣類へ着替えさせてください。 毛布やシートなどで覆い、保温、穏やかな加温をします。 風を防ぎます。暖かい屋内や車内に避難させることは効果的です。

■中度
医療機関での手当が必要です。 身体を動かさないようにしてください。保温して担架搬送をしてください。 四肢のマッサージは禁止です。冷えた血液が体内に循環して症状を悪化させます。

■重度
生命にかかわります。医療機関での至急の手当が必要です。救急車等の緊急搬送を手配してください。 加温禁止です。

次のコラムへ▼
   

予防法

   

■ 適切な準備と指導により、低体温症は予防可能です。
■ 装備のポイント<服装の項を参照>
水温に対する断熱性の高いものを選択します。 低気温に対する断熱性の高いものを選択します。ただし、水に濡れると断熱性を大幅に損ねるものがありますので注意してください。

■ 体温放出の抑制ポイント
低水温の水中に入った場合は、速やかに水中から引き上げて放熱時間を短くしてください。 低気温においては、頭部や四肢からの放熱を防ぐようにします。頭部や頸部を帽子やえり巻きで保温すると効果的です。 環境が悪化している場合には、防風シェルター等を利用して体温低下を予防してください。

■体調
体調管理:体調不調は低体温症の原因になります。水上での自然体験活動は、肉体的にもハードです。体調に不安がある場合は、活動を休むようにしてください。

食事の摂取:体温を維持するためのエネルギー源となるのが食事です。活動前には、きちんと食事をしましょう。加えて、高カロリーの行動食(おやつ)の携行も推奨されます。


■観察
低体温症の防止やケアには、第三者の観察と援助が必要です。 自覚症状があるのは、体温が低下してからです。予防のためには発症以前にお互いに観察・注意しあってください。 子どもたちの場合は、自覚症状があってもそれをすぐに大人に訴えるとは限りません。
・活動の楽しさに我を忘れて、体調の変化・悪化に気づかないことがあります。
・体調の悪化を訴えると遊びを制限されることを恐れ、黙っていることがあります。
子どもたちの動作、応答、反応の様子を観察して、早めに低体温症の兆候を発見し、対処をしてください。

   
▲このページのトップに戻る▲
   
「この教材は、子どもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)
助成金の交付を受けて製作したものです。」
Copyright(C) 2003 Japan Safety Canoeing Association All rights reserved.